みさと
海を好きになったのは、いつからだったか記憶にはない。
青い青い海へ吸い込まれていきたいという、心のうちにある不思議な思い。
よっしーのささやいた
「人はみんな海から産まれたんだよ」という言葉にシンクロした。
自分の中に刻まれている長い長い人間の歴史が海への帰省を望むのだろうと感じる。
水面から海中へ向かう、まっすぐに垂直に身体を伸ばしてゆっくりとフィンを動かす時に、心も頭の中もまったく何もない状態になる。
日常でそんな状況ってあるだろうか。
パソコンと、会議と、結果に追われる日々には、そんな状況は決してありえない。
恋愛と失恋と、いざこざに囲まれた日々にそんな状況は決してありえない。
私より深いところにいるよっしーが吐く息が水玉になり、その泡を追いかけるように私は浮上する。
水玉が楕円になり、ふわふわと動き、そしてはじける。
私の横に水玉がいっぱい。楽しいね、楽しいねと笑ってるように見える。
私は微笑んで水玉にじゃれて、私は涙ぐんで水面に映る太陽を見上げる。
生きているって素晴らしい。
海とともに遊ぶ。それは、例えようのない、魂の微笑む、そんな無邪気な時間だ。
是非、皆さんも体験してみてほしい。